アシスタントが読んだ本

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『鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言』”木ありき”宮大工の口伝から学ぶ

(今回はDVDです)

 

科学技術がどれほど進歩しようとも

人間が五感をもって体得し

長い年月をかけて磨き上げた技にはかなわない。

 

理屈で説明できなければ切り捨てられてしまうことが多い昨今

AIの進歩におびえる風潮も強く感じるが

果たして人間の能力は

機械にとって代わられるほど

限られたアルゴリズムしか持たないのだろうか。

 

『法隆寺宮大工口伝』の中に次の言葉があるそうだ。

””堂塔の建立には、木を買わずに山を買え”

西岡さん曰く

「伐採されたあとじゃ木のことはわからない。

山の質によって材質が決まる、環境によってクセが変わる」

山の土はどんな質なのか

山のどちらから風が吹いてきて

陽はどうあたっているのか。

それらをすべて知らなければ

目の前の木を本当に活かすことはできない。

 

「道具はモノではない。自分の肉体の先端」

だから自分の体の一部と思って手入れせよ。

 

木を神と崇め

自然を尊び

千年の時を経てなお生きる教えを守りながら

さらに千年先を見据えてひたむきに木と向き合う毎日の中から生まれた言葉を

今こそ学ばなければならないと思った。

 

今回の西岡常一さんのことも

小林先生から教えていただいた。

小林先生は

「コピーとは云々…」と語る代わりに

人や本を介して、また時々ぽつりとつぶやく言葉で

コピーを語っているように思う。

それらをとりこぼさないように

私は常に耳を皿のように広げている。

 

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『アースダイバー』人間の本能を揺さぶる土地の記憶 

 

おてもやん企画の仕事場がある世田谷区から

私の自宅がある江戸川区に戻ってくるといつも

ある種の精神のうごめきを感じる。

 

それは何処から来るのか。

茫洋とした意識と言葉の海を

正解を求めてさまようけれど

それはまるで永遠に続く地平線の彼方のように

人智の及ぶところではないように感じられた。

 

私のそんな悶々とした秘かな挑戦を全く知らない小林先生が

ある日突然

「この本はおもしろいよ」

と紹介してくださったのが

中沢新一さんの『アースダイバー』だった。

 

そしてこの『アースダイバー』によって私は

世田谷区から江戸川区に戻ってきた時の精神のうごめきが

単なる”気のせい”ではなく

私の中の本能が感知した”土地の記憶”から来たものであったことを知り

さらには今でこそ垢抜けた風な東京という都市が

実は今もなお

古代から連綿と続く土地の記憶の呪縛のうえに成り立っていることも知り

時間と物質を超越して残像を残す

”意識”の恐るべき力に

畏怖の念を覚えた。

 

私がこのような感慨に浸っている横で小林先生は

明日のブログの下ネタを楽しそうに考えている。

 

私に『アースダイバー』を紹介してくださったのは

単なる偶然ではなく

小林先生自身が茫洋とした海の中を泳いでいた時に

秘かな挑戦をする私の姿を見掛けたからではないかと思う。

 

無意識の世界は

時間も物質も個人間も超越していることを

私は『アースダイバー』によって

実感することとなった。

 

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