おてもやんガーデン裏手にある白梅。一時はカイガラムシにやられ息も絶え絶えだったのだが、数年前から復活し、再び可憐な姿を楽しませてくれるようになった。

そのたくましさに心を打たれ、2月になると白梅を見習いたいと強く思った。しかし、年齢を重ねるにしたがい、思いは変化した。風雪に耐える。若い頃なら仕方ないを含めてなんとかなったかもしれない。今、風雪に耐えているわけではないが、そのようなことはしたくない。ではどうするか。ここでサツマイモの登場だ。

近頃サツマイモを甘くすることに精を出している。安納芋、紅はるか、シルクスイート。甘い品種が席巻しているが、そうではなくただのサツマイモ。名も無きサツマイモをとことん甘くするのだ。蒸し器に入れて火にかける。30分もすればほんのり甘くなりおいしくなるが、それでよしとしない。そこからコトコト30分、計1時間でびっくりするほど甘くなるのである。
人も同じではないだろうか。30分でOKせずにさらに30分蒸すことで、味わいは格段に変わる。風雪に耐えるのは嫌だが、30分余分に蒸すことは私の性格上できそうだ。名も無きサツマイモである自分も、時に極上の甘さを手に入れられるかもしれない。そうだ、これから見習うのは白梅では無い。サツマイモだ。時間をかけて歩んでいこうと思う。