音を視る 時を聴く坂本龍一展

音には波動はあるが形はない。インスタレーションにより、音を空間に置く。その実験的な試みにより、音の存在が脳内で視覚化される。普段意識しないことだが、音は空間とともに成り立っている。そんなことを考えさせてくれる個展だった。異なるコンセプトの12の空間を体験しながら。

霧が客の姿を消し音が響く

会場をともに回った町の哲学者は言った。「私の中に感想は起きなかったが、トイレにいって流した後にその音から情景を感じたとき、小さじ一杯の何かを得たように感じた」

個展は3時間待ちの行列ができていたため、深川めしを食し、上野のミロ展に足を運んでから再び戻り入場した。

深川釜匠さんの深川めし

ミロ展は後半の部屋の作品は撮影可能だった

もう何十年も前のことだが、坂本氏が出演するシンセサイザーの広告撮影に立ち会わせていただいたことがある。すぐ横で氏がシンセサイザーの音色を確かめながら弾き始めると、音が膨張してその空間が繭に包まれた気がした。

桑田佳祐氏が坂本氏の想いをつないでいく詩をここに。

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