パッケージの新世界。

先日新プロジェクトXを観ていて、気になったことがある。以前の放送分のダイジェストだと思うが、日清食品の研究者がNHKの取材者に何かを飲ませていた。反応は苦い、エグいといったもので、とても飲める代物ではなかった。

それは厚生労働省が食事摂取基準として設定した33種類の栄養素が入った液体だった。栄養のバランスは素晴らしいが、それをすべて混ぜると顔をしかめるほどまずくなってしまう。そこから研究を重ね、フードテクノロジーでつくりあげたものが「完全メシ」。スーパーで購入し、さっそく試食してみた。

完全メシ 汁なしカップヌードル味焼きそば。熱湯を注いで五分後に湯切りする。つくりかたはカップ焼きそばと同じ。ソース味ではなく、みかけも具材もカップヌードル。麺がなめらかで中華風のソースがよく絡んだ。共に試食した町の哲学者は一言。

「宇宙食みたいだ」

新プロジェクトXに出演していた研究者の顔が浮かんだ。ここまで持ってくるのには大変な試行錯誤があっただろう。緊張の面持ちで社長の試食反応を待っていた姿が思い出された。

もちろん栄養素は肉や魚、米、野菜などから直接とるべきだという意見はあるだろう。私も栄養バランスを考えながら自炊している。だが、パッケージにある33種の栄養素と栄養成分表示が凄まじい。これを見ながら完全メシを食べれば、今までにない世界が味わえることは確かだ。

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