一度目、遠目に見てもわかる長蛇の列。それは日曜昼。二度目、平日午前。甘かった。三度目、平日開店前。すでに10人ほど並んでいたが、それほど待たずに店内へ。ここは笹塚で行列のできるパン屋さん、dough-ist(ドウイスト)。
麹町「No.4」に在籍していた『湯種の魔術師』川原司シェフが開いた店だ。湯種とは小麦粉に熱湯を加えてこね、小麦粉のてんぷんを糊状にしたもの。湯種をパン生地に加えることで、もちもち食感のパンになる。地元の人以外通らない場所にひっそり佇むdough-istだが、誠実においしいものをつくるシェフの店に多くの人が訪れるのはうれしい。dough(ドウ)=生地。華やかさを追求するのでは無く生地で勝負する。
小さなお店だが、陳列棚の後ろに店員さんがいて客が指さすパンをトレーに載せる。その人か他の人かわからないが袋づめしてくれて、レジにまた別の人がいてお会計。オペレーションがすぐれている。常時20人以上並んでいるお店なので、効率システムで無ければ外で2~3倍の時間待たなければならないだろう。

湯種パン。このもっちり感がたまらない。昼の至福。