昨日の朝日新聞。SF作家・津久井五月氏が植物について語っていたが、感銘を受けた。
「生態系という言葉に無条件にすばらしいものと印象を持っていないか」
「その土台を支える植物は圧倒的に長い歴史を持つだけに相当したたかではないか」

植物の祖先は34億年前に現れたという。それだけの時を生き抜いている。人類の祖先は700万年。足元にも及ばない。7万年前には絶滅の危機を迎えたともいわれている。植物のように多様性を持ってしたたかに生き残るのは難しい。人類は土と水と太陽だけでは生きられない。光合成もできない。生きるのに手がかかり過ぎる。

「生きた植物の計り知れない力も組み込まれた生態系の中に我々はいる」
枝を切っても再び茂ってくる。土を掘ると根がはりめぐらされている。雑草を抜いても他の草が待ってましたとばかりに現れる。植物の種が上空から人の行動を監視しているかの如く。バラの枝を切ると鋭利なとげの逆襲がある。植物は自然と共生できているが、人類は共生できない。勝負はついている。