もともと空じゃんと言われれば、そうだねとこたえる。そんな空の頭であってもさらに空にしたいときがある。からは空か。何もないわけではなく、円形で奥行きがある。
最寄り駅から電車に揺られて1時間40分。青梅線の沢井で下車する。澤乃井で有名な小澤酒造横の急坂を下り遊歩道へ。しばらく散策し河原へ。ビールを片手に寝転ぶ。

都心から二時間かからずに別世界を遊べる。水音に頭の中が洗われる。世俗のことを何も考えられなくなる。それほど真剣に考えなければならないことなど、もともとないのかもしれない。足をつける。冷たさと痛み。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」 鎌倉時代から流れ続ける言葉。どんなささやかな人生でもそうだろうな。
空の空だから、からから。今度豚山にいったら、山のように積まれたもやしにカラカラをかけてもらおう。