高校の修学旅行は永平寺に宿泊し修行をする。予定だったのだが、お寺が改修工事をしていたため、福井の山中温泉に泊まることとなった。ネットもない時代。山中温泉がどのような特質を持っている場所なのか知るよしもなかった。それから時がたち、検索してみると過激なピンクコンパニオンと遊べるエロな側面を持っていることがわかった。
合点がいった。何に合点がいったのかといえば、宿泊した旅館がエロ系かは知らないが、風呂に入ると磨りガラスがあり、そこに顔を近づけるとなんとなく女風呂が見えてしまうのだ。
純情というかまぬけというか、それを見て鼻血を出したクラスメイトがいた。それだけならよいのだが、どこでどう教師の耳に入ったのか、問題になってしまったのだ。困ったことに私がのぞきの嫌疑をかけられた。
夜、担任教師の部屋にひとり呼び出された。
「君だろ」
「僕じゃないですよ!」
否定した。担任は食い下がる。何度か否定した後、もうよいということになった。部屋を出ようとしたときに放たれた言葉にずっこけた。担任はこぼれるような笑みを浮かべ言った。
「で、どうだった?」
スケベは俺じゃなく、確実にあなただ!