広告関係者にも男気の強い人がいる。今からもう30年も前のことだが、246の渋谷駅をすぎたあたりでCM撮影の立ち会いをしていた。横断歩道のまん中にスペースがあり、撮影したビデオの確認をしている最中だった。
心優しき制作者ばかりだったのだが、アロハを着てサングラスだったり、かなりいかつく見える面々だった。円陣のようなカタチで5人ほどでモニターをのぞきこんでいた。突然クルマが近づき、運転席から降りてきた男がいた。
「小林さん、何してるの」
「撮影チェックですよ」
「何だ、そうだったんだ。小林さんがカツアゲされているのかと思って、助けに来たんですよ!」
なんと!まったくの勘違いではあったのだが、ひとり対大勢になるのに助けに来てくれてありがとう!!