スポーツの応援をしているとショックな場面に遭遇する。だが、こんな形でどん底に突き落とされたのは初めてだった。
パリオリンピック400メートルリレー予選。柳田選手は2走でチームは見事に予選突破。メダルの期待がかかる決勝へ。出身地の館林でライブビューイングを行うこととなった。時差があるため決勝のスタートは午前2時45分。ホテルで仮眠し、会場の館林文化会館小ホールへ向かった。真夜中ではあったが、大勢の人が集まり、館林市初の五輪選手に熱い声援を送ろうとスタンバっていた。ところが・・・。
スタートの10分前ぐらいだろうか。あり得ない現地情報が告げられた。「柳田選手がメンバーからはずれました」はずれたというより、はずされてしまったのだ。会場全員が呆然。ショックで声も出ない。柳田選手が泣いている画面が大写しになる。こちらも目が潤んでしまった。この悔しさをどこへぶつければいいのだろう。柳田選手のいない日本チームを応援し、メダルをとること以外に自分を納得させるすべはなかった。
レースが始まった。バトンはうまくつながった。だが結果は5位。順位としては予選の4位から落ちている。予選よりタイムは上がったが、やはり納得できなかった。
あのときの悲しみがふと頭をよぎるが、柳田選手は努力を重ね、今季、関東学生選手権、セイコーゴールデングランプリ、アジア選手権のすべてで優勝している。セイコーゴールデングランプリは、2019年の世界選手権王者であり自己最高9秒76のコールマンに勝っての優勝だ。
21歳でまだまだ伸びしろが大きい柳田選手。9月の世界選手権、2028年のロサンゼルスオリンピックでメダルを獲得し喜びの涙を!!