先日国立競技場で行われた陸上日本選手権。9月の世界選手権東京大会の選考会を兼ねた大事なレースだ。100メートル予選。あり得ないことが起きてしまった。
優勝候補最右翼の我らが柳田大輝選手がスタートラインにつく。号砲を待つ緊張の一瞬。異変が起きる。どういうことなのか理解できなかった。柳田選手が号砲直前に前のめりになって両手をついてしまったのだ。
早めにスタートしてしまったフライングは目にするが、両手をついてしまったのは初めてみた。結果、一度も走ることなく柳田選手は不正スタートで失格。パリ五輪400メートルリレーの直前メンバー替え以来の涙となってしまった。
これほどまでに起伏の激しい選手がいるだろうか。パリ五輪選考を兼ねた日本選手権でわずか0秒005差で代表を逃して涙。パリ五輪100メート×4リレーでは決勝に進んだメンバーでありながら直前のメンバー替えによって走れず。しかし、今年追い風参考記録ではあるが9.95秒をたたきだし、今回の活躍も期待されたのだが。
柳田選手を応援するには、波瀾万丈とつきあっていく必要がある。しかし、まだ世界選手権の出場の可能性は残っている。参考となる期間の参加標準記録(10秒00)を突破しているのはサニブラウン選手のみ。柳田選手も超薄氷ではあるが世界陸連が定めるランキングに入っており出場圏内にいる。
柳田選手が選ばれることを祈り、世界選手権での健闘を願う。