NHKスペシャル「1兆円を託された男 〜ニッポン半導体 復活のシナリオ〜」を観て改めて日本企業が残念だと思ったこと。

最先端半導体を量産し、半導体製造の復活を期する日本。国家の命運をかけ新興半導体企業ラピダスに税金を1兆円以上投入した。ラピダスを率いるのは小池淳義氏。日立半導体の黄金期を牽引した男。

1980年台の日本半導体は世界市場の半分を席巻していた。しかし、2024年にはベスト10からすべての企業が消えてしまった。1980年の日本は開発・設計→生産→販売のすべてを一社でまかなっていた。しかし、世界の潮流は開発・設計をになう「ファブレス」と生産だけを行う「ファウンドリ」に別れていった。その方が効率がよいからだ。

半導体企業世界一のエヌビディアはファブレスであり、世界二位のTSMCはファウンドリである。TSMCは世界中のファブレスから生産を請け負っている。ラピダスが目指すのは最先端でありながら消費電力が低く安価な半導体をスピード感を持ってつくるファウンドリだ。

日本の半導体企業がTSMCのようになれる可能性はなかったのか。小池氏は日立社員の時に時代に先駆けた半導体工場のビジネスモデルを構想するが頓挫してしまう。様々な要因はあるだろうが、どうしても日本の保守的な企業体質が強く影響していると思わざるを得ない。ラピダスの重要な製造を担う半導体製造装置メーカー社長の房野正幸氏は語る。

「(小池氏が牽引していた日立の会社である)トレセンティというビジネスモデルがうまくいっていたら、もしかしたらTSMCの代わりになっていたかもしれない。日本にはそのチャンスがあった」

日本は技術力も勤勉さも素晴らしい。しかし、保守的なマインドでこれまでどれだけ多くのチャンスを潰してきたのだろう。

日本の半導体製造を支えてきた勇者たちが集結し、世界の優秀な技術者を採用して挑むラピダス。成功を祈る。

出典・2025年9月7日放送 NHKスペシャル「1兆円を託された男 〜ニッポン半導体 復活のシナリオ〜」

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