月の開発が近づいている。ゴミや廃棄物の処理、原子炉の管理が心配だ。

ラピダス社長の小池淳義氏が大学生に向けた講義の後、質問に答えた。(2025年9月7日放送 NHKスペシャル「1兆円を託された男 〜ニッポン半導体 復活のシナリオ〜」より)

学生はラピダスの工場は北海道・千歳にまとめてつくられているが次はどこに建設するのか問うた。

小池氏「私が考えている次の工場は月です」

熊本というのかと思ったが、意表をつかれた。

小池氏「今の半導体の工場は、装置は真空が大事だというでしょ。あるいは結晶を精密につくるためには重力がない方がもっといい高品質のものができるから、まじめに月に工場をつくろうと考えています」

なるほど。もはや月の工場は夢の次元ではなくなっている。NASAも2030年までに月面に原子炉を建設する計画を急ピッチで進めているし、中国・ロシアも建設計画を掲げている。

人が活動すると多大なゴミや破棄物が出てしまう。月は地球と違って自然分解がほぼないため、再利用設計が必須。ほとんどのゴミは資源として循環可能というし、国際宇宙ステーション(ISS)では、水や空気、食料残渣を循環させるシステムが既に運用されているというが。しかし、比較にならないほど多くの人間が活動した場合、それですべてがおさまるとも考えにくい。そもそも地球環境に対してもエゴが優先されてしまっている。

月に原子炉を設置する際には、地球と違う環境条件や安全面の課題が非常に大きいため、慎重な設計と管理が必要といわれる。制御は大丈夫か。実現すれば太陽系探査が飛躍的に進む可能性があると、専門家らは語るのだが。また月での大国の覇権争いも激しく見苦しいものとなるだろう。

もちろん進歩や挑戦は素晴らしい。とはいえ自分が子どもの頃に感じた希望に満ちた未来ではなく、巨大な負を内包した未来になりそうだ。

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